設計士のこだわり

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手仕事

 

金沢支店 設計室の梅本です。

11月も残りわずか。

そろそろコタツが恋しい時期になってきましたね。

 

さて、今回は11月7日から2日間、大阪へ社員研修旅行に行ってきたときのことをお話ししようと思います。

1日目は数人のグループに分かれ、様々な建築を見て回るフィールドワークです。
数箇所回ってきましたが、今回は神戸にある「竹中大工道具館」についてご紹介したいと思います。

 

三宮駅からまち乗り自転車をレンタルし、移動します。

 


お洒落な町並みを颯爽と走っていくと、まちなかとは思えない程たくさんの緑で囲まれている建物が見えてきます。

 

 

 

建物には木をふんだんに使っているので、室内に入ると木のいい匂いに包まれます。
平屋建ての建物ですので、外から見ただけでは「そんなにたくさんの展示はしていないだろう」と勝手に思っていましたが、
地上1階はエントランスと少しの展示のみ、本命の展示は吹き抜けのある地下1階2階にゆったりと配置され、

予定していた時間内で見切れないほどでした。
原寸大のレプリカや数奇屋造りの実物大の茶室、実際使われていた大工道具等がたくさん展示されており、
写真や動画だけではなく実際に触ってみたりも出来るので、専門家でなくても分かりやすい展示になっています。

 

なかでも一番興味深かったのは、木組みを実際に手にとって体験できる展示です。
木組みとは、木造建築で釘や金物に頼らず、木に切り込みを入れてはめ合わせていく日本の伝統工法のことです。


当社では、プレカット工法を採用し、木材加工は工場で行っています。
それにより、品質の安定や工期の短縮など様々の利点があり、きちんと施工をすることで高寿命な住宅をご提供しています。
では、今のような技術がなかった時代・・・古いお寺や日本家屋はどうして残っているのでしょうか。
それは、宮大工が木の性質を理解し、木一本一本の特徴を読み、適材適所で使っていくこと。
また、解体・修理を繰り返し、高い技術を絶やすことなく後世に受け継いできたからです。
もちろんそんな時代に電気工具はなく、複雑な木組みの加工や大きな丸太を切る作業も全て手作業です。
気の遠くなるような作業を根気強く続けてきた宮大工の持つ技術、道具に懸ける思い、ものづくりに対する心意気・情熱がひしひしと伝わってきました。

鋸(のこぎり)や鉋(かんな)ひとつとっても、たくさん種類があり、道具に対するこだわりが感じられます。

 

 

工業化が進むにつれ、建築業界だけではなく「手仕事」によるものづくりが少なくなってきているように感じます。
「伝統だから大切にしないといけない」「伝統だから価値がある」という訳ではなく、
つくり手の熱い想いや、ものづくりの楽しさ、素晴らしさを受け継いでいくべき・・・そう感じさせてくれる場所でした。

 

私自身、つくり手の想いや生き様に深く入り込んで、自分の中の価値観、在り方を見つめ直すいい機会となりました。
ものづくりを担う一員として、より一層精進していきたいと思います。