「自分の軸を持ったマルチプレーヤー」

最終更新日:2021.12.13

こんにちは。

企画開発部エクステリア担当の野村です。

本格的に寒い日が続くようになってまいりました。明日の朝、富山では最低気温が1度前後となるようです。今年もあとわずか。体調に気をつけていきましょう。 

私事ですが、今年40歳を迎え、一つの節目を迎えたように感じています。私の置かれている状況は20歳年上の上司と20歳年下の部下がいる。社会人としておおよそ半分の時が過ぎた。こんな状況にあります。そんな自分が皆様の家づくりにどのようにお役に立てるのか?40代はどのような目標を持って皆様の家づくりに携わらせていただくのか。そんなことを考えてたどり着いたのが表題のタイトルです。少々自分事になりますが最後までお読みいただけますと幸いです。

 昨今、いろいろな情報に目をやる中で「創造系不動産」という会社の考え方に気づきがありました。そこでは不動産と建築・・・距離が近いように感じますが、実状は距離が遠く独自に発展を遂げてきたと言われており、今後互いの優れたところを掛け合わせることでお客様に新しい価値生み出せるのではないか。と述べられていました。

自分に置き換えてみたところ、私が担当している「エクステリア」は建築と距離が近いように感じますが、実情は距離が遠く独自に発展を遂げてきた分野です。(伝統建築には庭から考えられたものも多くありますが、ここでは一般的な住まいという括りでお話させていただきます。)エクステリアは家づくりには必ず必要というわけではありませんが、建築の優れた部分にエクステリアをフィットさせることができれば「家づくり」に「暮らし提案」という付加価値を住まい手の皆様にもたらすことができます。このことが今の自分を奮い立たせているのかもしれません。自分に何ができるのか?自分ならではの価値は何なのか?現在見いだせている答えが表題の「自分の軸を持った(エクステリアを軸に持った)マルチプレーヤー」ということです。

 エクステリアを軸に仕事をさせていただいている私が新しい価値(暮らし提案)を皆様に提案させていただくためにはエクステリアの見識だけでなく、建築の見識も必要となってきます。

 私がこの業界を志した初期の目標は「現場がわかる設計士になりたい」というものでした。まずは現場を理解しようと努めさせていただいた工務店には手刻みで無垢材を加工する大工や家具職人がおり、そんな中で自分は現場監督業を中心に、確認申請の作成、お客様との仕様打合せや完成邸案内、設計士であった社長の作図補助、木材を現場へトラックで搬入する等、マルチに努めさせていただきました。軸組や家具の納まりが分からず社長に叱責される傍ら、缶コーヒー片手に大工の親方がいる作業場や家具職人の作業場へ駆け込み、ゴマすりとも言える行為で物事を教わり、成長していった感があります。そんな環境で3年務めたころ、「現場の大枠の流れが分かった」と感じ、お世話になった工務店に愉しくなった仕事に対する後ろ髪を引かれる思いもありながら初心であった「現場がわかる設計士」を目指すべく、転職しました。

 転職先は「デザイン」が売りの地元のビルダーでした。自分の経歴と目標を面接で伝えたところ、晴れて「設計士」として採用いただきました。当時は小さな所帯でしたので私は設計士としての下積みなく、すぐさま現場に出て住宅の設計だけでなく、店舗の設計、リフォーム等、これまた様々な仕事にマルチに携わらせていただきました。順風満帆ではありませんでしたが、前職の現場経験も追い風になり、なんとか事を進め結果的にここでも3年間お世話になりました。その後、更なるステップアップを求め、アルスホームに転職を決意し、現在に至ります。

 アルスホームに努めて早10年。いろいろなことがありました。「自分はもうしっかりと設計できる」と思い込んでいた自分がお客様11人の暮らしに深く向き合い、熟考するアルスホームで通用せず大きな挫折がありました。少なくても30台前半で「自分はもうしっかり設計できる」と思い込み、満を持して所帯を持った時期でしたから人生最大の挫折だったと思います。その挫折がきっかけで紆余曲折があり、エクステリアプランナーとしてのキャリアをスタートさせることになったわけですが最初は「もう一度自分を見直し、鍛え上げ、設計士としてチャレンジしよう」と考えていました。そのため、エクステリア提案の際にはお客様11人の暮らしや思想に迫ろうと傾聴することに努めました。傾聴を繰り返すごとにワンパターンの解しか見いだせない自分の見識の無さに気づき、エクステリアに関する書籍を読みあさり、様々なセミナーに参加し、若かりし頃の現場に缶コーヒー作戦で職人から様々なことを教わりました。時には土質や植生を理解するため、スコップを持って職人と現場でよく穴を掘ったものです。(今でもやってしまいますが・・・。)

そんなことを夢中で取り組んでいくうちにシンプルにエクステリアの仕事が愉しくなってきたのです。初心であった「現場が分かる設計士」とは異なる分野での面白さにこれまた葛藤しましたが、そこで出た結論が初心に自分の今までの体験を上乗せした「暮らしをデザインする設計士」になりたいと考えるに至りました。自分なりにマルチに様々なことを経験させていただいた中で導き出した答えです。土地、住宅、インテリア、家具、エクステリア・・・すべてお客様の暮らしを豊かにする要素という点でつながっています。全体でどうデザインするか?全体でどうバランスをとるか?すべての業種に関わってきた経験を活かし、エクステリアという最終工程の視点から発信していきたいと考えるようになりました。

先日、娘が私に「パパは今、どんなお家をつくっているの?」と聞いてきました。私は「住む人たちが幸せになるお家をつくっているんだよ」と答えました。大きく挫折した時からかなり時間がかかりましたが、ようやく胸を張って伝えることができました。

 自分に何ができるのか?自分の価値は?40歳としてのスタートは「家づくりの見識を持った暮らしをデザインする設計士として、自らの価値であるエクステリアを軸に家づくり全体を俯瞰した暮らし提案を行わせていただきたい。」この想いをもってスタートさせていただきたいと考えております。

こんな私ですが、培ったすべての経験を糧に皆様が幸せな暮らしを送っていただけるようお手伝いさせていただきたいと考えております。

 最後までお読みいただきありがとうございました。

文字ばかりのブログとなりましたので最後にいくつか写真を。

先月、コロナ過ですので人混みは避け、安曇野に行った際の写真です。大自然で子供達を走らせたあと、昨年安曇野の農家さんから購入したリンゴの樹の収穫を愉しみました。今年は少し霜が多く、品質はいまいちでしたが260個くらい収穫を愉しむことができました。