「正しい」コミュニケーション

最終更新日:2019.11.30

営業担当部長の飼田です。

気温の上がり下がりが激しく、体調を崩しやすい季節です。体調管理にはくれぐれもお気をつけください。

立場柄、自社に限らず色々な方と顔を合わせる機会が増えました。

そうした出会いの中で、素晴らしい実務能力や人を惹き付ける魅力があるのに、
十分にその能力や魅力を発揮できないでいる方をお見かけすることがあります。
もう少し謙虚であれば…、もう少しオープンマインドであれば…、
もう少し行動をテキパキとしたら…。
理由は様々ですが、ほんの少しの是正で随分自分を取り巻く環境が変わるのに…と、
残念に思う若者が多いことに気がつきます。

もちろん、完璧な人などいません。誰でもどこかに欠点を抱えているものです。
しかも、その欠点は自分ではなかなか気がつきにくいものです。

だからこそ、普段から周りとの正しいコミュニケーションが必要だと思うのです。
では、正しいコミュニケーションとは何でしょうか?
互いに耳触りの良い話をしあうことでしょうか?
相手のことを真剣に考え、場合によってはぶつかることを恐れずに伝え切ることこそが
「正しい」コミュニケーションではないでしょうか?

もちろん、いかなる理由付けをしようとも、
人権を否定するようなハラスメント的なコミュニケーションを肯定するつもりはありません。
強制的に自分の考えに従わせるつもりもありません。

しかし、先述の力を十分に発揮できないでいる方々は、
正しいコミュニケーションのもとで社会人生活を送ることができてきたのかが気になります。

これまで彼らの周りにいた上司やマネジャーは十分にその役目を果たしていたのか?
正しいコミュニケーションを実践してくれていたのか?
実践できていれば、もっと充実した社会人生活を送れているのではないのか?

これは、自分に対する自問自答でもあります。
後輩・部下の是正すべき点に対し、私は真剣に向き合って対処してきたのか?
お茶を濁すような耳触りの良いコミュニケーションで流してこなかっただろうか?

正直思い当たる点は多々あります。それにより現在苦労している人がいるとしたら、
本当に申し訳ないことをしたと深く反省する次第です。

マネジャーとして大切なことは、
正しいコミュニケーションで相手に気づいてもらうことだと思うのです。

アメリカの哲学者・心理学者でウィリアム・ジェームズという方の有名な一文を紹介します。
現在の自分にとっての処世訓のひとつでもあります。

心が変われば行動が変わる。
行動が変われば習慣が変わる。

習慣が変われば人格が変わる。
人格が変われば運命が変わる。

私もマネジャー駆け出しの頃、熱意のあまり、正論を盾に部下の行動や習慣、
もしかしたら人格まで変えようとしていたかもしれません。
でも、それは誤りでした。
自分のことは自分でしか決められないし、変えられないということが本質だと気づいたのです。

周りからいくら正しい事を言われようとも、自分自身の意思決定(心=考え方)を変えるしか、
行動や習慣は変えられないのです。そして正しく変わっていった結果で、
その先に待つ運命をより良いものにしていくのです。

最初から自分に合った仕事や面白い仕事などありません。
社会人・組織人となった以上、仕事を通じて自分自身を前向きに変えていきながら、
仕事の面白さを発見し、自分自身をフィットさせていくしかないのです。
そうして行動を変え、習慣を変え、人格を変え、運命を変えていくのだと思います。

我々マネジャーは、部下の意思決定(心=考え方)が
より良いものになるようお手伝いすることしかできません。
きっかけや動機付けのサポートをしてあげる程度のことしかできないのです。
マネジャーにとっての正しいコミュニケーションのあり方とは、
こういったことではないかと考え始めています。

…とは述べつつ、まだまだ口先だけで実践し切れておりませんが…、
この年齢になり、ようやく部下との付き合い方が少しだけ見えてきたような気がする今日このごろです。