山海 満也
アルスホーム株式会社
代表取締役社長
山海 満也

説明責任

  • 社長メッセージ
最終更新日:2019.11.18

皆さんこんにちは。

梅雨が明け、いよいよ夏本番です。
熱中症などにならぬよう、ご自愛ください。

さて、最近、吉本興業の話でマスコミは賑わっています。

日々状況が変化し、着地点が中々見えにくい状況が続いています。

問題がそもそもの発端となる事件から、会社のガバナンス、引いては直接の当事者ではない
芸人が反旗を翻すなど、見る人、着眼点によって様々な切り口のあるゴシップです。

その中で私が興味を持って注目したのは、世代間の価値観ギャップがまともに
大きく露呈した点と、日を追うごとに騒動が大きくなった点です。

まず、今回の一連の騒動の中で、大きく反応は3つに分かれました。

まず一つ目のグループは、師匠と言われる長老格のグループです。

彼らのスタンスは「若いモンが何いうてんねん。昔からそんなもんや」的なスタンスです。

二つ目のグループは、現経営陣およびそれを支持する大物芸人グループです。
要は、現在の会社の経営を仕切っているグループです。

彼らのスタンスは、「まあ、色々問題はあるけど、何とかこれまでの路線で
うまくやっていきましょう」というお茶を濁しつつ、押し切る姿勢です。

これに対し、若手を中心とした一部のグループが反旗を翻しました。

「ファミリーだなんて感じたことはない。現経営陣は代わってくれ」という主張です。

同じ業界かつ同じ会社内における、この反応の大きな違いの原因は何か?

様々な要因がある中、問題を複雑化させている一番の要因は、
経営陣が若手に対して説明責任を果たしていない点にあります。

相手が「なるほど」と理解納得できるような説明がなされていません。

なおかつ、世代間ギャップに対して、権限と立場を行使して、曖昧なまま真相を隠して
現状維持を是として押し切ろうとしています。

このことが問題を複雑化させ、大火事にしているのです。

「若いモンの意見」として適当に受け流さずに、耳を傾けて、受け止め、未来志向で、
共に納得できる状況を作ろうとする姿勢に欠けているのです。

しかし、こういう状況はどの組織にも簡単に起こり得ることです。

一般的には、反旗をひるがえすことなく、何事も無く過ぎていきます。

何事も無いように見えていても、組織が受けるダメージは大きなものとなります。

ほとんどは、立場的に下の人が、モチベーションを下げるとか、
上司および会社に対するロイヤリティーを無くすことになります。

厄介なのは、そういう状況は物理的かつリアルタイムで見えないのです。

想像するに、おそらく吉本興業においては、今回の件で騒動に至る以前に、
沢山の上意下達型の意思決定があったものと推察されます。

気付いた時に襟を正したとしても、健全な組織運営と業績を取り戻すまでは
相当の時間と労力を伴います。

今回の騒動を見て、上司諸君が学ぶべき点は沢山あります。

「自分は正しいことを言っている」
「これが当たり前で、相手が知らないだけなんだ」
「教えてやらねば、解らせなければ」

そういう価値観を信じ、部下に強く当たる上司は要注意です。

一番大事なのは、「相手が、なるほどそうだ。頑張ってみよう」と思えているかどうかです。

そこを注意深く「観る」ことが肝心です。

普段はテレビで人を笑わせ、自身も楽しそうに仕事をしている芸人さんに起きた一連の報道を
見て、やはり世の中、それぞれの立場と境遇で大変な事があるのだなと改めて思いました。

(吉本興業さんはもう少し危機管理対応について学んだ方が良いかと。)

多少の辛さはあれ、お互いがそれぞれに理解されていると感じ、
仕事を通じて「幸福感」を実感できることができる会社にしたいものです。

「対話を重ねて感動を共有する」 アルスホーム企業理念にあります。

上場企業ですら、全くできていないわけですから、難題です。

しかし、我々は理想郷を目指し、努力したいと思います。