原野 省三
アルスホーム株式会社
代表取締役会長
原野 省三

「情の強さ」

  • 会長メッセージ
最終更新日:2022.04.22


「情の強さ」

「知・情・意」
 哲学者カントが提唱した人間の心の3つの働きの要素、
知性・感情・意志のことです。
この3つが三位一体となってバランスよく働いてこそ、
人間としての人格が形成され、人間性を豊かにするそうですが、
現実には、それがとっても難しい・・・。

中でも情(感情)はあらゆるところで無意識の内に強く影響を与えますよね。
例えば、人が物を買うときの真実として
「人は感情で買って、論理で正当化する」
とよく言われます。まさに的を射ていると思います。

人と人との関係においても、感情に左右されてしまうことが多いように思えます。
特にネガティブな感情、例えば怒りや嫌悪、嫉妬などというものが
強烈に表に出てきて、ただ自分の我を通すだけで、
冷静な自分はどこへやら・・・
ということ、誰でも心当たりがあるのではないでしょうか。
そして、自分自身のエゴが表面化した結果はご存じの通り。
良い結果に行きつくことなどありません。

ではその対策は、というと、
「知・情・意」に当てはめて考えてみれば、
(知)全体を構造化すること
(情)相手にとっての真実を感じ取ること
(意)全ての責任は自分にあると思い切ること
になるのではないか、と思います
とはいえ、これを身につけることは並大抵なことではありませんが・・・

いずれにせよ、私たちはとかく感情に流され判断しがちだ、
ということを理解しておかなければなりませんね。

日々、あるいは定期的な振り返りにおいて
自分の言動に間違いがあったかもしれないという前提で、
自分は冷静に正しく意思決定できていたか、
判断は感情に流されたものでなかったか、
静かに自問自答を繰り返すことで
次第に正しい判断、意思決定ができるようになるはずです。

今回もエゴの話になってしまいましたが、
それほど自分のエゴというものはなかなか気づかず、
気づいてもなかなか抑えられないもの、なのです・・・。