山海 満也
アルスホーム株式会社
代表取締役社長
山海 満也

キャリアデザイン

  • 社長メッセージ
最終更新日:2021.08.21

みなさんこんにちは。

お盆が明けましたが暑い日が続きます。

さて、今回はキャリア形成について考えてみます。

よく言われますが、上場企業において新卒の3割が
3年以内に会社を辞めるそうです。

ざっくり言って、その理由は「考えていたイメージと違っていた」とか、
「社風の不一致」、「人間関係の不和」etc.......あたりだと思われます。

いずれにせよ、本人にしてみれば会社を辞めるほどの不満を感じているわけです。

上司の視点から考えると、「大学を卒業したばかりのやつが
社会も理解していないのに何を言っているんだ」と言いたいところです。

そういう構図を見た時に、単純化させて気付くのはキャリアデザインという点において
コミュニケーション不全が起きて意思疎通が図れていないということです。

こういう状況に対して私は、一義的には上司方に原因があり、
キャリアデザインのプロセスが正しく踏まれていない場合が多いと思います。


では、どういうプロセスを踏めばいいのか?

まず、一番重要なのは部下の願望を知ることです。

いかに取るに足らない、解っていないものとして話を聞くのではなく、
あくまでも尊重する姿勢を崩さずに「望んでいること」の把握に努めます。

どういう状況で、どんな仕事をした時に満足できるかを
全部出し切ることが何より肝心です。

このプロセスが無いと部下は心を閉じてそこで話は終わってしまいます。

ほとんどのケースではこのファーストステップで躓いています。


そして次に部下の望んでいることに対して職種やポジション、
サポート等のリソースをどのように提供できるかを話し合います。

このプロセスに来るとほとんどの部下は会社から提供可能な
リソースだけでは不充分で、自分自身のリソース不足に気づき始めます。

ここが大事なところで、あくまでも部下自身が気付くことが重要です。

また、一般的に部下の立場の人は自身の思い込みで願望を形成している
ケースが多いので、違う視点やより遠くの、より高い願望を形成

できるようにアドバイスをしてあげることも重要です。

もっと、大きく充実した願望、すなわち違う世界を見てみようと促すのです。
そうすると部下はより自己承認欲求が満たされると同時に

そこまで期待してくれるのなら頑張ってみようかという気持ちになります。


そして3つ目のステップは会社から提供できるリソースと
部下自身に不足するリソースを整理してどういう順序と時間軸で
望む状況を満たしていくかを話し合います。

ここまでの段階までくるとほとんどの部下は、暗い顔をしていた
ちょっと前とは打って変わり目が輝き始めます。



どこの会社でもコミュニケーション不全はあり、問題視する会社が多く
様々な取り組みがなされているのに、ことキャリア形成という課題に
根付いているコミュニケーション不全はあまり取り上げられてきませんでした。

人生は一期一会であり、お互いをよく知るプロセス不足に起因する
不満から生じる社会的損失は非常に大きいものです。


顧客満足(CS)はよく言われますが、社員満足(ES)、とりわけ
キャリア形成に関する満足度向上に関しては我々は稚拙では無いでしょうか?

それは決して部下に迎合するような安っぽいものではなく、人生で
出会った人を幸せにしてあげたいと、心から思えているかどうかという
上司諸君の心の姿勢と覚悟が問われているのです。

キャリアデザインの正しいプロセスを体得し、たくさんの人が
望む未来を実現できるように願っています。