山海 満也
アルスホーム株式会社
代表取締役社長
山海 満也

報酬は何か?

  • 社長メッセージ
最終更新日:2021.07.03

皆さんこんにちは。

7月に入り蒸し暑い日が増えてまいりました。

さて、今回は仕事の「やり甲斐」をテーマに取り上げたいと思います。

つい先日、ある社員と面談していて驚いたことがありました。

その社員は40代で中堅のポジションにいます。

今後のキャリアビジョンについて尋ねたところ、その先にある
管理職にはなりたくないとの話でした。


その理由を彼に尋ねると、
「いつも忙しそうで、大変そうな姿を見ているので」との回答でした。

話は変わりますが、とある調査で管理職になりたくない人は
80%もいるというデータがあります。

また、毎年新卒社員にどの役職を目指すのかを尋ねると、
年々
役員や管理職の比率は下がってきているようです。

彼の主張は社会の大勢と一致している訳です。


しかしながら、私は彼に二つのことを今後考えてみるように
アドバイスをしました。

一つは、彼ら管理職は大変なのは事実だと思うが、なぜ引き受けて、
なぜ頑張り続けていられるのか?

二つ目に、管理職は重責だが、それが苦痛でしかないとしたら、
降格となった時に喜ぶはずだが、私の知る限り降格となった社員で
降格されたことを喜んでいる人を見たことがないのは何故か?


確かに自分自身これまでの約30年の仕事人生を振り返ってみても
「楽だった」時は一回もありません。昇格の度に「しんどさ」は増しました。

しかしながら、その日常の大半を占める「しんどさ」を遥かに
上回る「やり甲斐」が必ずありました。

それは、褒められたり、感謝されたり、報酬が上がったり、
得る「やり甲斐」の形は様々です。

また、「やり甲斐」の根っこを掘り下げてみると、表面的な「報酬」とは別に
成長実感や次のステージへチャレンジできる高揚感などの自分だけが
感じる
ことができる「無形の報酬」があります。

彼に限らず、世の中の多くの人が管理職を望まないのは、
大変さを遥かに上回る「やり甲斐」を伝えられていないことにあります。

また、上司が日常、大変さを強調することによって自己弁護したり、
謙遜を良しとする日本の組織文化も影響しているのかもしれません。

いずれにしても、キャリアアップの希望とその喜びを個人の内に
秘めておくといった日本人的な考えを見直す必要があると思います。

具体的には、働く一人一人がステップアップすることを公言し、
支援し、称賛する機運を高めなければならないと感じています。

そして、個人が成長できた達成感と満足を彼らの後輩に教えていく
風土作りにも取り組まなければなりません。


田坂広志先生の著書「仕事の思想」にはこう記されています。

「仕事の報酬にはいくつもの世界がある・・・」
また、

「仕事の報酬を見誤らないことがとても大事である・・・」


キャリアビジョンの明確化とその支援体制の確立について
さらに深化させる必要性があると痛感しているこの頃です。