原野 省三
アルスホーム株式会社
代表取締役会長
原野 省三

真意

  • 会長メッセージ
最終更新日:2020.12.28


真意

誰かに相談したり議論する時、お互いに意図が伝わらないこと、ありますよね。
ただ言葉通りに受け取ってしまったり、自分なりに「こういうことか」と決めつけてしまい、
相手の真意をきちんと掴めていないまま、表見的な対策を取ってしまうことで、根本的な原因の
解決に至らないからでしょう。

誰でも自分が伝えたい真意を的確な言葉を用いて話すことはなかなかできないものです。
さらに言えば、話しているうちに、自分の言っていることが正しいと相手の言い分も聞かずに
ただ主張したり、反論されることで感情的になり、自分の主張だけに固執したりしまいがちです。

受け手側も、相手が感情的になれば最初は客観的に意見を伝えようとしていても、
相手の剣幕や言い方によって、つい相手と同じように感情的になってしまい、
反論ばかりしてしまうなんてことも・・・

結果、前向きな検討にはならず、ただケンカ別れで終わってしまうことになってしまうと
その相談や議論は全く意味のないもの。
そんな不毛なことにしないために発信側も受け手側も、まずは相手のことを認めることです。
出来る限り相手の言うことを受け止め、冷静に相手の様子をきちんと見ながら、
その言葉を傾聴し、「なぜそういうのか」「その言葉の背景になにがあるのか」を熟考する。
そして、相手に「言いたいことはこんなことですか」と確認することです。

そんな繰り返しが、相手の本当の意図、真意を理解し、共有することになると思うのです。
相手からの同じようなキーワードに集中してしまいがちですが、
その他の言葉や情報から、相手の言葉の奥底に潜んでいるモノを表に出してあげる、
それが相手と分かり合えることであり、信頼というものになっていくのだと思います。

相手も気づいていないような真意を浮かびあがらせる。
お客様との打合せにおいても、社員同士の面談などでも、
欠かすことのできないプロセスなのですが、わかっているけどなかなかできない・・・

私の経験からしても、何度も何度も失敗を繰り返しながら、
少しずつ前に進んでいくしかないのでしょうね。

末筆となりましたが、今年も私の拙稿を読んでいただきありがとうございました。
来年もどうぞよろしくお願いいたします。