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風格を纏う

皆さんこんにちは。

GWも終わり、立夏を過ぎ、文字通り暑さを感じるようになってきました。
青葉も若葉色で、一年で一番さわかやで過ごしやすい時期です。

さて、この度はGWを利用して京都、大阪、奈良と関西方面へ旅行に行って参りました。

いろいろなところを見て回ったのですが、
今回の旅の一番の見どころは最終日に見た京都迎賓館です。

一昨年ごろから見学を希望し、何度も抽選に臨んだのですが、
なかなか抽選に当たらず見に行けずじまいでした。

今は一般公開されているとのことで、ようやく見学することが出来ました。

さすが国の迎賓館だけあって、贅の限りを尽くして造られています。

細部に至るまで、細工が施され、まさに工芸美術品です。


(「和の晩餐室」桐の間です。鏡のような漆黒の座卓が見事です)

これまでは撮影制限などがあったようですが、現在は館内の写真撮影は自由です。
(ただし、地下駐車場は警備上の都合でNGです)

日建設計による設計で、まさしくどこを見ても隙が無く、ため息のでる仕上りでした。

しかしながら、一通り見学してみると「物足りなさ」を感じました。

国を挙げて作られた建築物を物足りないと評しては、失礼極まりないかと思いますが、
何か「物足りない」のです。その物足りなさの正体は何か、考えてみました。

たまたま、昨年に迎賓館赤坂離宮和風別館「游心亭」(設計は谷口吉郎氏)を見学しました。

これまた、見事な造りで45年の時を経ても色褪せることなく佇んでいます。

両方とも、建築技術と工芸技術の粋を集めて造られています。

しかしながら、この二つの迎賓館にある大きな違いは、建築時から経過した年月にあります。

京都迎賓館は築後14年が経ってはいますが、一言で言うとピカピカです。

迎賓館赤坂離宮和風別館は、45年が経過している分、しっとりとしています。

両迎賓館を見て改めて建築の面白さ、美しさ、備えるべき要件を考えさせられました。

まず、そもそも美しいことが重要です。奇をてらわず、流行を追わず、
いつまでも飽きのくることが無い意匠、デザインであることが重要です。

この点は、両迎賓館とも要件を満たしています。

次に大事な要件は、先に両迎賓館の違いとして「年月」を挙げましたが、
この年月の経ち方がとても重要なのです。

それは、大事にされながら、愛しみながら年月が経過することが重要です。

物理的劣化は進むものの、愛おしまれ経過した年月は、
いつしかその建物に小手先では身に纏うことができない「風格」を与えます。

この風格を纏った建築物は、何とも言えない美しさを感じさせます。

加えて、過ぎ去った年月の長さや、歴史、携わった人々の膨大な努力の積み重ねを
想起させてくれます。

風格を纏った建築物が持つ多様な力を再認識した次第です。


(テーマは庭屋一如です)

当然、今回見学した京都迎賓館も、あと半世紀もすれば風格を感じるようになるでしょう。

我々アルスホームが手掛けている住宅もそのようにありたいと願っています。