上質な日常を育てる

最終更新日:2022.02.20

上質な日常というと、少し近寄りがたい印象を受けるでしょうか?
背伸びをしないと手が届かないような、非日常的な様子が目に浮かぶかもしれませんが、上質な日常を「完成品(完璧なもの)」としてではなく「未完成品(育てるもの)」として捉えると、少し身近に感じられるのではないかと思います。

家づくりの視点から、「上質=理想的な様子」「日常=積み重ねる暮らし」と分解してみると、上質な日常とは、思い描く理想の暮らしを目指してうまくいったり、いかなかったりする日々を積み重ねながら育てていくものと、言い換えることができそうです。

もしかすると、そうした思い描く上質な日常が完成することは無いかもしれませんし、完成する必要も無いかもしれません。状況の変化に合わせて暮らしを育てていく過程そのものが何にも代え難い時間であり、そのために創意工夫することが何よりも上質なのではないでしょうか。

上質な日常は、共に過ごす人たちと一緒に創り上げていくものであり、それこそが暮らすことの本質だとすると、住まいには、そんな豊かな日々を柔軟に受け止める大きな役割があるのだと思います。