「性能」と「機能」

最終更新日:2021.10.24

住宅の「性能」というと、性能表示制度に代表されるように、ものさしが標準化しているようです。
住宅の「機能」というと、収納量や動線、オール電化、食洗器が付いているとか、車が停めやすいとか、こちらは様々なものが対象となってきます。
どうやら性能と機能とは、住宅を比較検討する上で大切なことのようです。

しかしながら、住宅とは難しいもので、曖昧なものに本質が隠れています。
「居心地」は、その代表的なものではないでしょうか。

自分や家族は、何をもって「居心地が良い」のか。
明るく陽射しが差し込むところ、少し影になって落着きがあるところ、窓の傍、壁に囲まれたところ、休日の朝のゆったりした時間、夜にほっと一息つく時間、家族との会話、一人の時間、等々…

「居心地」とは、環境:「居場所」・「時間」・「人との関係性」によって変化します。

加えて、同じ人であっても、気分のように内的なものや、季節のように外的なもの、様々な要因によって感じ方が変わります。

リビングのソファやダイニングチェアのみならず、家の中に「居心地の良い」場所が点在し、その日・その時によって、いくつかの選択肢から選べること。
人が暮らす家とは、そんな「性能と機能」が最も大切ではないかと考えます。