砥石とメンテナンス

最終更新日:2022.12.12

皆さんこんにちは。設計の井上です。

今週からはついに天気予報に雪マークも出てきて、ついに冬本番を感じるようになってきましたね。 
アウトドアの好きな我が家ですが、冬の家の生活で新しい楽しみを見つけたとこを紹介したいと思います。

『砥石で包丁を研ぐ』

実は恥ずかしながら私は一度も自分で包丁を研いだことがありませんでした。
というのも、包丁が切れなくなったら、実家に持ち込んで研いでもらっていたからです。
しかし、京都の亀岡市の「天然砥石」の鉱山の発掘・製造元に行き、そこで、「砥石とはどういうものなのか?」「なぜ、この亀岡の砥石が世界中で愛用されているか?」を知る機会がありました。

 

 まず砥石の種類ですが、大きく分けて人工的に作られた「人造砥石」と亀岡市の砥石のように天然の鉱脈から取ってきて平たく加工した「天然砥石」があります。
またそれぞれに砥石の粗さが異なる「荒砥」・「中砥」・「仕上砥」があり、またさらに・・・といったように無数の種類・粗さの砥石が存在します。
なお、刃物の王者「日本刀」の制作には研ぎ師という専門の職人さんがいて、最低でも7種類以上の砥石を駆使して最高の刃をつけていくそうです。
そして、天然砥石は人造砥石に比べると自然物由来のため個体差が大きく、また粒子が均一ではないため研ぎにくい傾向にあります。
逆に言うと刃物自体へのダメージ(研いだ時のカエリ・バリ)が少ないため、特に仕上砥としては人造砥石では敵わない性質があります。

 

そして、製造元では、砥石のプロから研ぎ方の講習を受けさせていただきました。
研ぐ包丁は100円の包丁です。
研ぐ前に試し切りで段ボールを切りましたが刃が入ってもすぐに止まってしまいます。
しかし、天然砥石で素人の私が10分研いだだけで「スパッ」と段ボールが切れました。
どんな包丁でも正しく研ぐことでこんなにも切れ味が鋭くなるものかと驚かされましたが、プロが使う砥石のお値段も切れ味がよく、私たちは端材の一部を砥石にした家庭用の砥石を購入することになりました。

   

自宅でこの砥石を使って自分の包丁を研いでいますが、研ぎ方が少し変わるだけで切れ味が変わり、自分の気に入る切れ味にするために日々練習をしています。
プロの料理人は気に入った包丁は長年にわたって使用し研ぎ続けることによって、包丁自体が短くなっていくため、ペーパーナイフくらいになるまで使用することもあるとのことです。
私はそこまで研ぐ事は出来ないですが、大切にメンテナンスしながら、最高の状態に保ち続けることでより長く使い続けていきたいと思います。
また、メンテナンスをした変化に気づくことで、さらに楽しみが増えていきそうです。
住まいにおいても、日々のメンテナンスや手入れをする事でさまざまな変化を感じ、それを楽しむ暮らしを続けていきたい、そして、それをお客様にお伝えする事が出来たらと思います。