『思わぬ収穫』  

最終更新日:2020.09.07

こんにちは。
営業担当部長の飼田です。

                        

9月に入っても、なかなか暑さがやわらぎませんね。
今年はコロナ禍の影響で常時マスクをしているせいか、特に暑さが身に堪えるような気がします。
やむを得ないこととは言え、皆さん、もうしばらくがんばりましょう!

忌々しい新型コロナではありますが、今日はこうした事態の中で得た私の
「思わぬ収穫」の話からさせていただこうと思います。


これまで私は、日常的な趣味というものを持っておりませんでした。
しいて挙げれば、読書がそれにあたっていたのかもしれませんが、
ここ数年、細かい字が見えにくくなり(一般的には老眼という現象かもしれませんが…)、
正直本と少し距離を置くようになっていました。
そういった経緯もあり、更に無趣味状態が続いていた最中に、
新型コロナウイルスの感染流行と外出自粛が始まったわけです。

仕事がしたくてもできない、外に出たくても出られない、そんな生活が始まった頃のことです。

休日、スマートフォンでYouTubeを何気に見ていた時に、
自分が昔よく聴いていた1980年代のバンドのライブ映像を見つけたのです。
よくこんな昔の映像が残っているものだなぁと感心しながら見始めたところ、
映像の進行とともに、当時の記憶がワッと蘇り、何とも言えない懐かしい気持ちになったのです。
熱心に聴いていたのは、学生時代ですので、既に30年以上前のことです。

それからはYouTubeでそういった動画を探しては夜な夜な見ていたのですが、
当然見たい映像・聴きたい音楽が必ず配信されているわけではありません。
そのうち、だんだん当時の音楽を一通り聴きたいという気持ちが高まり、
ついにミニコンポを購入し、収納の奥にしまい込んでいた昔のCDを引っ張り出して聴き始めました。
今では休前日の夜、家族が寝静まった頃、コッソリ酒を呑みながら、
こうした音楽を聴くことが最大の楽しみになっています。



 当時の音楽を聴きながら、ふと思ったことがあります。
それは、自分はこの曲の何が好きだったのだろう?という単純な疑問です。
メロディーや歌詞、リズムの好みというものは当然ありますが、特に、
曲自体にこれだという根拠が思い当たらないのです。それほど音楽に詳しくも無いですし。
ひとつ思い当たるとすれば、曲を聴いた際に、思い出や思い入れが蘇り、
その時の想いや情景に結びつくから、ということでしょうか?
原因とすれば、曲自体では無く、その曲にまつわる理由や背景のようなものにあるのかもしれません。

 人には、「好き」とか「嫌い」とか「実現したいこと」とか「絶対に避けたいこと」…
そういったことを感じる時、必ず理由や背景があると思います。
重要なのは、「好き」とか「嫌い」という感覚に対し、「ナゼ好きなのか?」
「嫌いになったきっかけは何だったのか?」という理由・背景に目を向けることではないでしょうか?


家づくりもまた同じだと思います。
私たちがお客様の家づくりをお手伝いする上で、最も大切にしていることは、
そのお客様らしい、個性的な住まいを実現する事。
日々お客様と対話を重ねた中で確信していることは、お客様が「実現したいこと」の理由・背景にこそ
「お客様らしさ」が隠れているということです。
お客様のこれまでの人生、暮らしの中の小さなエピソードの積み重ねが「お客様らしさ」として、
今でもお客様の中にしまい込まれているはずですから。

「個性的」の本質は、変わったカタチや色調を取り入れるというアウトプットでは無いと思います。
手段はいかようでも、そこに込められたお客様それぞれの想い、嗜好や考え方が表現されてこそ、
「お客様らしさ」であり、「個性的」なものになるのではないでしょうか?
つまり、お客様1家族1家族の「自分らしい」「個性的な」家づくりという課題において、
本当の意味での解決(実現)を望むなら、そこにアプローチすべきだと思うのです。

ですので、我々はお客様とたくさん対話をし、たくさんの情報をいただきたいのです。
時には家づくりとは関係がないと思われるような話でも、もしかしたら、
その中にお客様自身が気づいていない理由や背景が見つかるかもしれないですし、
情報を整理させていただくことで、何か気づきのきっかけをつくることができるかもしれないので。

私たちにとっては難しい作業ではありますが、家づくりにおいては、
とても重要なお手伝いと覚悟し、日々努力している次第です。



ただ…、今回の私のエピソードについては、そのような高尚なものではなく、
ただ単に酒のツマミが増えただけのことかもしれませんが…。