巨匠達の住まい

最終更新日:2025.05.26

詳細設計の稲坂です。

冴えない天気が続き、梅雨入りを予感する頃となりました。皆さまいかがお過ごしでしょうか。
憂鬱になりがちな季節ですが、家時間の新たな愉しみを見つけるには、良い機会かもしれません。

先日、東京・六本木の国立新美術館で開催されている展覧会「リビング・モダニティ ―住まいの実験」を鑑賞してまいりました。

この展覧会では、20世紀を代表する近代建築の巨匠たちによる住まいのかたちが、多角的に紹介されています。ル・コルビュジエやミース・ファン・デル・ローエといった建築界のレジェンドたちが手掛けた貴重な資料を、住宅分野に限定して詳しく展示するという、わたしたち住宅分野の住人には垂涎の内容です。

図面や模型、当時の写真、映像資料などが豊富に展示されており、彼らがどのような思想で住まいを捉え、どのように空間を構築していったのかが、直感的に伝わるような構成となっていました。

わたしたちは日々、空間づくりや住まいの提案に携わる中で、「人が心地よく過ごせる場所とは何か」を常に考え続けています。そうした中で、50年~100年も前の、それも建築界の巨匠と呼ばれるような人たちが、我々と同じように「心地よい空間」を求め、悩み、試案していた…その軌跡に触れることは、これからのものづくりに大きな刺激になりました。

雨の多いこの時期は、つい外出を控えがちになりますが、そんな日こそ、美術館のような静謐な空間で心を満たす体験をしてみてはいかがでしょうか。
ちなみに今回の展覧会は、来月末まで開催されており、建築やデザインに興味のある方だけでなく、「暮らし」そのものに関心のあるすべての方におすすめできる内容となっています。(遠方にはなりますが…)

皆さまの暮らしの中にも、こうした芸術や思想が少しでも加わることで、新たな発見や気づきが生まれることを願っております。これからも、そのお手伝いができれば幸いです。

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