高まる要求水準
- 社長メッセージ
皆さんこんにちは。
今年度の最終稿となります。
あと10日足らずで新入社員が入ってきます。
ちなみに、某就職エージェントの毎年の調査によると、
この2、3年スコアが上がり、一番大事にしたい仕事の価値観は
「心地良い環境にいること」だそうです。
確かに、自ら「劣悪な環境」を選択する必要はありませんが、
仕事に対する価値観として考えると、
私はどこか浮薄な印象を受けるのです。
同じように、転職エージェントのCMがかなりの量
流されていますが、その内容に違和感を覚えます。
人材流動化のこの時代、確かにエージェントサービスは
合理的なサービスだと思います。
違和感を感じるのは、転職することによって
ポジティブかつ明るい未来が待っているかのように伝えている点です。
では、明るい未来を手に入れることの本質は
どこにあるのか考えてみたいと思います。
実際のところ、転職をして必ず良い結果になるとは限りません。
間違いなく転職に際してはより良い未来への
チャレンジとして意思決定をしたはずです。
何故、望む結果を必ずしも得れないのでしょうか?
話は変わり、基本的な働く人のニーズを考えてみます。
色々な価値観があるとはいえ、大きなニーズとしては
より良い収入が見込めることや成長できること、
自分が認められること等があると思います。
あくまでも私見ですが、これらの理想を手に入れる過程で
必要なプロセスがエージェントのCMでは
全く表現されていないのです。
結論を申しますと、自分が認められ、成長し、
その結果良い収入を得るというプロセスは、
決して平坦なものではないのです。
具体的に言うなら、壁にぶつかったり、
他人との関係で悩んだり、想定外の状況に出くわしたり
悩ましいプロセスを通らなければなりません。
時代は変われど、これらのプロセスに出くわし、悩み、
それを受け止め、解釈し、乗り越えることによって
初めて多様な物の見方、考え方ができるようになります。
多様な考え方を身につけるということは、
仕事の幅と人の繋がりが拡がると同時に
心豊かな人生を歩むことができることに直結します。
つまり、誰もが望む理想の状況は「心地よい環境」に
いるだけでは絶対に得ることができないのです。
分野を変えてスポーツの世界を見れば単純です。
「心地よい環境」だけを求めていて
大きな成果が残ることはあり得ません。
大きな成果を得るには、他人を超越した
鍛錬と節制が求められるのは自明の理です。
何事を成すにも「とてもしんどい」道を
通らなければならないというのが、欠くべからざる条件なのです。
とはいえ、昨今の若手のニーズはそういうところにあると受容した上で
そこからどう成長に結びつけるのか?
上司諸君に求められる「教える」という力量は
年々難易度が高まっています。
我々自身のアップデートが必要ですね。