山海 満也
アルスホーム株式会社
代表取締役社長
山海 満也

後世の評価は如何に

  • 社長メッセージ
最終更新日:2021.07.24

皆さんこんにちは。

大暑を迎え一年で一番暑い季節です。

そんな中、昨日オリンピック開会式が行われました。

コロナ禍における人類初めての経験とはいえ
無観客で興奮や高揚とはほど遠いスタートとなりました。

私自身を振り返ってみると、一番記憶にあるのは
1984年のロス
大会と1988年のソウル大会です。

ロス大会の時はちょうど中学3年生で高校受験を迎えて、これからの
自分の人生の方向性について初めて考え始めた時でした。

また、世の中はバブル景気に向かう直前であり、開会式での
ロケットマン
の登場は鮮烈で、未来に対して大きな明るさと希望を
強く抱いたことを覚えています。

次の1988年のソウル大会は大学1年生の時でした。

当時はバブル景気に差し掛かり「ジャパン・アズ・ナンバーワン」
と称えられ、東京都の土地でアメリカ全土が購入できると言われたほど
地価も景気も上がり続けていました。


そんな社会背景の中、上京し大学1年生となり交友関係が拡がる中、
華やかなパーティー会場のモニターでベン・ジョンソンとカール・ルイスの
男子100M決勝を飲み物片手に見ていたことを鮮明に覚えております。

オリンピックと共に人生の新しいステージが始まったと確信していました。

その後、ベン・ジョンソンはドーピング違反で金メダルを剥奪されるのですが、
今になって思うのは、荒削りながらも勢いよく膨れ上がる世界の趨勢を表した
象徴的な出来事であったように思います。

従って、私の若かりし時のオリンピックはまさしく成長し続ける
「明るい未来」の象徴そのものでした。


その後、程なくしてバブル景気は崩壊し日本は長期低落の時期を迎え
現在に至るわけですが、それでも2013年の東京開催決定の時ですら
ここまでダメージを負った大会になるとは想像だにしませんでした。

国立競技場の計画変更、ロゴマーク盗用疑惑、コロナ禍における
強行開催と直前まで多数の関係者の辞任劇・・・

すでに震災復興やコロナ禍に打ち勝った象徴としての開催意義は
崩れ去り、絵に描いた餅になりました。


(昨日の開会式は興味が湧かず観ませんでした)

何もかも初めてという環境下で迎える東京大会ですが、選手の方々も
これまでにないコンディションでの参加を求められています。

アスリートの健闘を祈ると同時に、少しでも心が洗われるような
素晴らしい瞬間や物語が生まれることを期待したいと思います。

複雑な思いが入り混じる東京五輪となりました。

この大会が残すレガシーが後世においてどう評価されるのか見届けたい
と思うと同時に、自分も本大会の意義について考え続けるつもりです。