山海 満也
アルスホーム株式会社
代表取締役社長
山海 満也

保全を見直す

  • 社長メッセージ
最終更新日:2021.01.30

皆さんこんにちは。

先日からの雪も今日の昼以降は落ち着きそうです。

さて、今回は住宅のメンテナンスについて思うところを記します。

私は、自宅を24年前に建築しました。

もともと、住宅が好きでこの仕事をやっていますし、これまで
自宅のメンテナンスをあれこれ楽しんで行なってきました。

今ではメンテナンスのリズムが一定し、毎月行うこと、
季節ごとに行うこと、一年に一回行うことなど実施項目を
決めて安定的に実施しています。

また、大規模な修繕として外壁塗装、水回り設備入れ替え、
空調機器の入れ替え、傷んだ瓦の入れ替えなどを行なってきました。

お陰様で24年を経過した住まいではありますが、
快適に安心して暮らすことができています。

また、昨年より仕事用に別に居を構えました。
住居形態としてはマンションとなります。

住み始めてまだ半年ですが、戸建て住居との違いに驚いたことがあります。

考えてみれば当たり前なのですが、これまで私が自宅で行なってきた
メンテナンスとは異なり、マンションの場合、50年間のプログラムが
詳細に決まっています。

つまり住人の意向に関わらず、計画通りにメンテナンスが行われます。

定期的にエレベーターや火災警報装置のメンテナンスが行われますし、
つい先日は、一斉の配管高圧洗浄が行われました。

日時の案内があり、専門業者が各住戸に入って全ての排水口を高圧洗浄
により清掃します。共用本管までの高圧洗浄を行うのみならずキャッチャーや
トラップまでピカピカにしてくれます。

私はこれまで自分でやってきていたので、マンションでも同じように
毎月清掃していたのですが、今回やっていただいた業者さんに聞いてみると
トラップまで自分で清掃している人はほとんどいないという話でした。

マンションの場合、住人のメンテナンスに対する認識の差を放置して
不具合が起きると、他の住戸にも影響が出るので、戸建てとは異なり
メンテナンスプログラムに沿って一斉かつ予防的に定期的メンテナンス
が行われることになります。

ここに戸建てとのメンテナンスの違いがあります。

ほとんどの場合、戸建て住戸は不具合が起きてからメンテナンス
することの方が多いと思います。

いわば、「事後保全」という考え方です。

先に記したマンションの場合は、不具合が起きる前に先行的に
メンテナンスを実施するので「予防保全」という考え方を基本にしています。

同じ「住まい」でありながら、事後保全を基本とする戸建てと
予防保全を基本とするマンションには、メンテナンスに対して
基本的なスタンスがそもそも異なっていることに気づきます。

我々アルスホームにおいても、お住まいされてからの基本的な
メンテナンスプログラムを案内し、お客様センターで時期が来たら
案内を行なっているのですが、お客様により実施レベルはかなりの
差があることは否めません。

マンションにおける先行事例に学び、戸建て住居においても
予防保全の重要性を啓蒙し、より安定的にメンテナンスを実施して
頂く重要性を痛感しました。


(私は5階に住んでいますが、1階からホースをあげて手すりにくくりつけて、
そこから各住戸に入ります。作業は5人で20分。素早いプロの仕事です)

事後保全から予防保全へ。

アルスホームは勿論、住宅業界が取り組むべき課題の一つです。