変換
- 会長メッセージ
最終更新日:2026.04.17

「問いの変換」という言葉から、
田坂広志氏の著書に紹介されていた一つのエピソードを思い出しました。
ある日本人技術者が大きな事故により片足を失い、
絶望の淵にあった彼に対し、妻は
「あなた良かったじゃない。命は助かり、もう片方の足は残った」
と語りかけました。
それは事実を覆す言葉ではなく、
問いそのものを変える一言だったのだと思います。
そしてもう一つ田坂氏の言葉
「人生で起きること、すべて良きこと」
この言葉は出来事を無理に肯定するものではなく、
「この出来事をどう受け止めるのか」という問いを、
私たち自身に差し出しています。
最悪と捉えるのか、それとも「この程度で済んだ」と受け止めるのか。
その解釈の違いが、人生の歩みを静かに分けていくのですね。
あらゆる出来事は問いとなって、私たちの前に現れます。
その問いをどう解釈するのか。
そしてときには誰かの言葉によって、
その問いは別の姿へと変換されていきます。
自分の中で、あるいは周りの誰かの言葉で、
この解釈力は静かに、そして深く育くまれていくのでしょう。
住まいづくりという日々の仕事、
そして人と人との関係の中においても同じです。
目の前の出来事をどのように捉え、
どのような言葉に変換して相手に届けるのか。
その積み重ねが、住まいの質を高め、
人と人との関係をより良いものへと導いていきます。
解釈とは、単なる考え方ではなく、
人のあり方そのものを映し出すものなのかもしれませんね。