山海 満也
アルスホーム株式会社
代表取締役社長
山海 満也

情緒的価値

  • 社長メッセージ
最終更新日:2026.03.14

皆さんこんにちは。

今回は住まいの「情緒的価値」について記します。


つい先日の夕方。

我が家では妻が食事の準備をしている横で、
長男がこの春からの新生活に向けた準備をしていました。

少し離れた土地で、新たな暮らしが始まります。

私はその様子を、ただぼんやりと眺めていました。

「いよいよ一人暮らしが始まるのだな・・・」と考えていると、
フラッシュバックのように、ある情景が脳裏に浮かびました。

それは今から25年前の2000年の初秋。

生まれたばかりの産院を出て、ベビーキャリアで健やかに眠りながら
初めてこの家に入り、3人目の住人となった日のことです。

私たち夫婦にとっても初めて授かった子でしたから、
車から室内まで、慎重に運び入れたことを鮮明に覚えています。

そんな記憶を辿っていると、あの日から今日に至るまでの
さまざまな思い出が、次から次へと駆け巡りました。

無事に成長してくれた喜び、家を離れることへの一抹の寂しさ、
そして社会人としての門出を案じる親心・・・

さまざまなものが入り混じった複雑な感情が込み上げてきました。


そこで改めて痛感したのは、住まいの存在意義とその役割です。

子供と共に歩んだ歳月の背景には、必ずこの家が映り込んでいます。

住まいは、家族の思い出を優しく受け止める「キャンバス」
のような役割を果たしているのではないか。

あるいは、子供と共に刻んだ記憶がぎっしりと詰まった
「アルバム」のように感じる方もいらっしゃるでしょう。

そして、そこで育った子供たちも「住まう」という体験を通じて、
人格形成において多大な影響を受けているはずです。


築30年を迎えようとする我が家を振り返って思うのは、
一次的機能である耐震性や断熱性は基盤として大事です。

しかし、実際に長く住まう中で得られる真の効用とは、
家族と育んだ時間や思い出、すなわち「情緒的価値」に他なりません。

ゆえに、確かな性能や基準を満たすことは大前提とした上で、
この「情緒的価値」の側面から設計を検証することがより重要です。

昨今のタイパ(タイムパフォーマンス)重視という潮流の中、
設計に時間をかけない風潮が高まっていることに私は懸念を抱いています。

住まいは、人生において一度きりの最も高価な買い物です。

そして住まいとは、単に「寝起きする場所」ではなく、
家族が幸せな時間を紡いでいくための「器」なのです。


私たちアルスホームは独自のコンセプトメイキングを通じて、
一邸一邸、そのご家族の在り方と幸せな時間を設計しています。

これからも、そんな心の豊かさを育む住まいを
創り続けていきたいと考えています。

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