山海 満也
アルスホーム株式会社
代表取締役社長
山海 満也

論理の誤謬

  • 社長メッセージ
最終更新日:2025.11.22

皆さんこんにちは。

先日、社内の会議で手順書について検討する機会がありました。

どうも、作成後の活用度は低いようです。

その原因を探っていると、このような意見がありました。

「使用するタイミングが判らないからではないか?」

場の雰囲気としては、おおかた納得していたようでした。

会議終盤であったため、私は違和感を覚えつつも
その点に触れず、会議は終わりました。

その後、その意見が正しいのか反芻しました。

私が辿り着いた結論は「間違いである」ということでした。

一見、正しい原因に聞こえますが「論理の誤謬」です。

手順書というのは、何度も手に取ることによって
自身の体験と結び付けられ、「使えるもの」になっていくのです。

つまり、読むだけで有効性を発揮するものではないのです。


例えば、新しい家電を買ったとします。

製品の手順書たる「製品説明書」を隅から隅まで読んで、
理解してから家電の使用を始める人は稀です。

また、使用という体験がない中「製品説明書」を読んだところで、
頭に残ることはほぼ無いでしょう。

一般的には、使ってみて操作方法や機能の活用に疑問が湧いた時に
「製品説明書」の中に該当箇所を探して読み込むのではないでしょうか?

そして、体験と論理の結び付けを何度も行うことによって
その製品を充分に使いこなせるようになっていきます。


ところで、ここに昨今の重要な論点があります。

それは、自身の体験と手順書にある論理の結び付け、
いわゆる「血肉化」というプロセスです。

現在はAIが日進月歩で活用が進んでいますが、
一見、便利なようで落とし穴があると思っています。

それは、上記の「血肉化」というプロセスが忘れがちになり、
個人の内部に再現性を育めなくなるのではないかということです。

AIは便利なツールで活用しなければなりませんが、
その利便性に依存し、本来自分の中で行わなければならない
血肉化のプロセスまで忘れてはなりません。

ここを正しく理解して自分自身の中に「再現性」、
つまりは「知恵」を養いましょう。

日常の中にはこのような「論理の誤謬」が常にあります。

AIの発展によって前後の論理性構成を検証したり、
本質を見抜く力がより求められる時代になりつつあります。