新たな開発テーマ
- 社長メッセージ
皆さんこんにちは。
今回は住まいづくり計画の前提について考えてみます。
一般的には、30代ぐらいで子育てを前提に建築を計画します。
話は変わりますが、私の実家は私が10歳の時に住み替えました。
今では珍しい二間続きの座敷に1間の縁側があります。
その他、父母の寝室が1階にあり子供室は2階に2部屋あります。
そして現在の利用状況は、子供二人は同居しておらず
年老いた父母二人で住んでいます。
当然部屋は余り、2階は空き部屋、
二間続きの座敷は父のリビング兼寝室となっています。
また、私の自宅でも似たような状況が見え始めました。
子供二人は就職にあたり、一人暮らしをする予定です。
つまり、我が家もまた子供室が空いてしまうのです。
振り返ってみれば、平成の初め頃までは和室を作るのが一般的で、
子供との同居に加えて将来、父母を引き取ることも
考慮するご家庭が多かったと記憶しています。
しかし、現実は子供との同居も父母との同居も
多くの家庭において発生しませんでした。
こうした現実をみるにつけ、住まいづくりに織り込む前提条件が
間違っているのではないかと思うに至りました。
その誤りとは、最大居住人数を前提とすることです。
しかし、先に述べたように現実化する家庭は少ないのです。
また、子供を考えてみても小学校高学年ぐらいから
独立して自室を使用するようになりますが、
他県へ進学すれば使用期間はわずか10年未満となります。
そうした多くの実態を踏まえると、
これからの住まいづくりに織り込む前提条件はどうあるべきか?
それは、最小居住人数を前提として計画することです。
具体的には、夫婦二人での暮らしを主軸に
小さく計画するということになります。
その際、子供は一時の同居人と考え、
最小限のスペースで数年間対応できれば
可程度で割り切ることにします。
さらに踏み込むなら、一人になった時の維持管理や
将来の売却を踏まえた配慮も必要かもしれません。
建築費や地価の高騰という昨今の状況を踏まえると、
必然的に小さく計画せざるを得ないという面もあります。
「小さくても伸びやかに暮らせる住まいはどういうものなのか?」
これからの住まいに求められる新たな開発テーマです。