山海 満也
アルスホーム株式会社
代表取締役社長
山海 満也

豊かな包容力

  • 社長メッセージ
最終更新日:2025.04.12

皆さんこんにちは。

今回は組織運営技術について考えてみます。

きっかけは、最近話題になっている著書
「静かなる退職という働き方」。

著書の要旨を紹介しますと、

―――――――――
企業を辞めるつもりはないものの、出世を目指してがむしゃらに働きはせず、
最低限やるべき業務をやるだけの状態である。

「働いてはいるけれど、積極的に仕事の意義を見出していない」のだから、
退職と同じという意味で「静かな退職」なのだ。

・言われた仕事はやるが、会社への過剰な奉仕はしたくない。
・社内の面倒くさい付き合いは可能な限り断る。
・上司や顧客の不合理な要望は受け入れない。
・残業は最小限にとどめ、有給休暇もしっかり取る。
―――――――――

そんな働き方も、一つの姿として広まっているとのこと。

その話を聞いて私は「そんな割り切りは良くないだろ」
という風に一瞬は考えました。

しかし冷静に考えてみると、
怠けたり職務放棄をしている訳でもなく
法令違反にもあたりません。

一般論として、経営者や経営陣という職務の人は
仕事が好きで熱心な人がほとんどです。

そうした経営陣は同じような価値観を持つ社員を
良しと評価しがちな傾向があると思います。

またその逆も然りで、会社に対するロイヤリティーが低い社員を
低く評価することが多いと思います。

最近までは、私もこの一般的類型に当てはまる価値観でした。

それでも、よくよく考えると社員一人一人の胸の内などは
実際のところわかるものではなく、恐らく想像する以上に
多様な考え方を持っているものと推察されます。

従って、価値観の同質性を求めたところで信頼性は無く
異質性を否とする判断は間違いだと思うに至りました。

大事なのは、本人の価値観を認めた上で
配置や処遇を会社と本人双方が一番ベターな形で合意するべき
ポジティブな課題であると考えるようになりました。

多様性という言葉をよく聞く昨今、これまでの
単一的な価値観への従属を求める考え方を見直さなければなりません。

まさしく、多様な人々が集う中で新たな包容力のある
バインド技術が会社に求められているのです。

また、単なる無軌道な集団にならないためにも
理念や守るべき規範、根幹は共有しておく必要があります。

そうした豊かな包容力こそが、新たな組織の活力を生み出すとともに
イノベーションの源泉に繋がっていくのだと思います。

多様な価値観をおおらかにバインドし、
一人一人が望む形で働くことができる組織を目指して参ります。